七五三の着物の柄に込められた意味や願いとは?【男の子編】

七五三の着物の柄に込められた意味や願いとは?【男の子編】 ブログ

こんにちは。和装ロケーション撮影の専門店、京都写真館の和華の中島です。

今日は七五三のお着物のお話を共有させていただきます。

 

男の子の七五三の着物の柄は、凛々しく、カッコよく見える着物を選んであげたいと思うものの、いざとなるとどんな柄の着物を選べば良いのかわからないという方も多いようです。


まずは、男の子の七五三の着物に描かれている主な柄とその意味や由来を知り、お子さんにふさわしい柄や、ママやパパはどんな柄に願いを込めたいかなど参考になれば嬉しいです。

 

厄災を払う、強く育つ、立身出世の意味も

実際に男の子の七五三の着物によく描かれている柄には、どんなものがあり、どんな意味が込められているのでしょうか?ここで紹介する柄はほんの一例ですが、「厄災にあわないでほしい」「強くたくましく成長してほしい」「苦難を乗り越えて大成してほしい」という、親の願いが込められているものが多いです。

 

 

「兜」は厄災から身を守り、大成を願う柄

戦国武将が頭を守るために着用していたことから、「兜」は邪気や災いから身を守ってくれる道具であり、健やかな成長を願うといわれています。豪華な装飾の「兜」は、地位の高い武将が身に付けていたことから、立身出世や大成を願う意味があります。 

 

 

「軍配」はより良い道へ進めるようにとの願い

戦場で武将が兵を指揮するために使っていたのが「軍配」で、軍配団扇が正式名称です。組織を動かすリーダーのように知力や決断力、行動力のある人になって欲しい、人生の節目で進むべき道を間違えることなく、より良い道へと進めるようにという想いを表しています。

 

 

つかんだ幸運を離さないことを意味する「鷹」

遠くまで見渡せる目と、鋭い爪で素早く獲物を捕まえる「鷹」には、一度つかんだ幸運は決して離さないという意味があります。また、身分の高い人が鷹狩りを楽しんだことから、「立身出世」を願う意味もあります。

 

 

気高さの象徴であり大願成就の意味もある「龍」

昔の中国では「龍」は皇帝を意味し、気高さと威厳、栄光のシンボルでした。「昇り龍」でも知られるように、天に昇っていく「龍」の姿には、出世や飛躍の意味があり、大願成就の想いもが込められています。

 

 

「鯉」の滝登りのように成功を勝ち取ってほしい

「鯉」が滝登りをする柄は、中国の故事「急流である黄河の上流にある滝の竜門を登った鯉は龍になる」から、立身出世を意味するといわれています。また、滝登りのような厳しい状況にも耐え、苦難を乗り越えて成功を勝ち取って欲しいという願いも込められています。

 

 

福徳を招いてくれる、おめでたい柄の「宝尽くし」

「宝尽くし」は福徳を招く吉祥文様といわれていて、女性の着物の柄として多く見受けられますが、七五三では男の子の着物の柄として知られています。打ち出の小槌や宝巻き、宝珠など縁起が良いとされる宝物をいくつか組み合わせて描いたおめでたい柄です。

 

 

お金に困らない、どんな願いも叶う「打ち出の小槌」

一寸法師の物語に登場する「打ち出の小槌」。願い事を唱えながら小槌を振ると、欲しいものが出てくるという話から、お金や生活に困らない、どんな願いも叶うという意味があります。羽織の背面に大きく描かれるメインの柄ではなく、袖や裾などに描かれています。

 

 

着物を着るのは七五三と結婚式といわれるくらい、着物を着る機会が少ない男の子。そのうちの貴重な一回ですから、着物の柄の持つ意味を知り、親として柄に込めたい想いを考えながら、お子さんにふさわしい晴れ着をしっかり選んであげたいものです。


また、五歳ともなると自分の好みも出てきますから、一緒に相談しながら選ぶのも楽しいかもしれません。そんなふうに選んだ着物の柄について、いつか記念写真を見ながら振り返ってみるのも、きっと楽しいひとときになるのではないでしょうか。

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