かつて日本の都として政治と文化の中心地だった京都。厄除けや金運、恋愛運などのご利益を求めて京都のお寺や神社に訪れる人はもちろん、最近はその美しい景色の撮影を望む若者が増え、インスタ映えスポットとしても話題となる寺社が注目されています。
中でも「ハートの窓」のお寺として人気を集めているのが京都宇治田原にある「正寿院(しょうじゅいん)」。160枚の天井画などフォトジェニックな見どころが満載の、京都でインスタ映えを狙いたいなら必ず訪れたい場所です。
創建800年!真言宗正寿院の歴史
正寿院が創建されたのは今から約800年前。飯尾山医王教寺(現在は廃寺)の塔頭寺院として建てられました。塔頭とは、大寺の高僧の死後、弟子たちがその墓を守るために寺内に建てた小院のことをいいます。
戦国時代と江戸時代の二度に渡り火災に見舞われた正寿院。数少ない資料に残されている記述によると、安土桃山時代と江戸時代を跨ぐ慶長の時期に祐胤(ゆういん)という僧が再興させたそうです。
江戸時代に入ると正寿院は寺子屋としての役割を果たすようになります。算術、道徳などを学ぶため多くの生徒が通っていたようで、今では「ハートの窓」があるお寺として老若男女の観光客から注目を浴びています。
正寿院が誇る大人気スポット「ハートの窓」。実はこれ、「猪目窓」(いのめまど)という窓の形状の種類の一つなのです。
猪目(いのめ)とは、文字通り猪(いのしし)の目の形をした文様のことで、古来から魔除けの役割として用いられてきました。各地のお寺や神社で多く見受けられられる文様ですが、その形が今や「ハート形」として話題を呼び縁結びのシンボルとなっているわけです。
正寿院の客殿にある猪目窓の最大の魅力は、そのハート型の窓越しに映る四季折々の景色が楽しめること。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、その季節折々の景色が映し出されるため、どの時期に訪れてもハズレなしです。
正寿院の猪目窓は結婚式の前撮りスポットとしても人気。「幸せを呼ぶ窓」と言われるハート型を背景に撮った写真は一生の思い出となるでしょう。なお、前撮りや七五三などカメラマン同行の撮影予約は正寿院に事前申請が必要となるのでご注意ください。
【天井画】160枚の花と風景で敷き詰められた天井
猪目窓が見られる客殿の上を見上げると、天井いっぱいに敷き詰められた丸型の絵が視界に入ってきます。その数なんと160枚。300年前に描かれた本堂内陣の天井画の復興として描かれたもので、花や日本の風景などがテーマとなっています。
正寿院客殿では色とりどりの天井画とハート形の猪目窓が同時に撮影できるのも魅力のひとつ。素敵な組み合わせの欲張りフォトを撮って、美しい思い出を写真に収めましょう
住所:〒610-0211 京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
電話番号:0774-88-3601
営業時間:9:00~16:30(12月~3月は10:00~16:00)
※最終受付は閉門15分前まで
拝観料:通常時600円(菓子付き)