いつもご覧いただきありがとうございます。今日は3年ぶりに行われる祇園祭についてまとめてみました。
今週末は7月下旬のお出かけの際の参考になれば幸いです。ぜひ続きをご覧ください。
千年の歴史があり、疫病退散を祈る「祇園祭」
日本三大祭のひとつ「祇園祭」は、京都・祇園にある八坂神社の祭礼です。はじまりは、平安時代初期の869年(貞観11年)。全国に蔓延した疫病を鎮めるため、当時の国の数である66本の矛(ほこ)を立て、平安京の庭園であった神泉苑に神輿を送って祈ったことが由来とされています。
祭のハイライトは、7月17日と7月24日に行われる「山鉾巡行」と「神輿渡御(みこしとぎょ)」。華麗な一大ページェントである山鉾行事は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
壮麗!「動く美術館」の名を持つ山鉾巡行
祇園祭の主役は「神輿渡御」。一方、もう一つの主役である「山鉾巡行」は、八坂神社の神々を乗せた神輿を迎える前に、都大路を祓い清める役割があるといわれています。
その魅力は歴代の町衆が贅を尽くし、互いに競い合うように作り上げてきた山鉾の絢爛豪華さ。超絶技巧の漆塗りに金工、刺繍、古今東西の織物などの名品が彩ります。
「エンヤラヤー」の掛け声と祇園囃子の調べに乗って、山鉾が都大路を優雅に進む姿は息をのむほどの美しさ。「動く美術館」と称される理由はここにあります。
「宵山」の風情に酔いしれて
山鉾巡行の1~3日前に行われる「宵山(よいやま)」も、祇園祭に欠かせないお楽しみです。前夜祭にあたる行事で、各鉾町で美しく飾った山鉾をお披露目。懸装品や御神体人形の公開、厄除けのちまき(笹で作るお守り)や御朱印の授与もあります。
あちこちから聴こえてくる祇園囃子の調べや子どもたちのわらべ唄を頼りに、山鉾町をそぞろ歩くのも一興。夕闇に浮かび上がる駒形提灯も幻想的です。例年の7月15・16日は、烏丸・四条通一帯が歩行者天国に。露店も並び、にぎわいは最高潮に達します。
祭の真打、ダイナミックな「神輿渡御」
優美な山鉾巡行と一転し、勇壮な激しさを見せるのが「神輿渡御」。巡行当日の夕方、八坂神社の御祭神を乗せた3基の神輿が町をめぐり、清める神事です。「ホイット ホイット」というかけ声に合わせ、氏子たちが2トン余りある神輿を揺さぶりながら舁(か)く姿は迫力満点。
まばゆい輝きを放つ神輿も神々しいものです。次第に高まる熱気、舁き手と沿道の観客が一体となって生まれる高揚感は唯一無二の体験。山鉾だけ見て帰るなんて、もったいない。ぜひ合わせて訪ねてみてください。
196年ぶりに「鷹山」が復活
「鷹山(たかやま)」は、応仁の乱以前から存在する由緒ある山。1826年(文政9年)の暴風雨で大破して以来、巡行を休止してきましたが、復興の機運が高まり山を復原。2022年の後祭から巡行に復帰することとなりました。
鷹狩りの様子を表した3体の御神体は、将来の復活を信じ、町内で大切に守られてきたもの。新調された車体や装飾品には、京の職人の織物や木工技術が存分に注ぎ込まれているとか。約200年の眠りから覚め、この夏晴れやかに蘇る鷹山にぜひご注目ください。
【イベント名】 祇園祭
【開催場所・会場】八坂神社
【開催日・期間】2022年7月1日(金)~31日(日) 期間を通して様々な神事が執り行われる。今後の感染状況等により、大幅縮小や中止となる場合あり。
【予約】不要 【料金】入場無料