「千日まいり」とは、一日の参詣で千日分のご利益があるとされる特別な日です。
成相寺では8月9日を“千日さん”と呼び、御本尊である聖観世音菩薩(身代わり観音)のご利益をいただける功徳日(くどくにち:現世・来世に幸福をもたらすことになる善行が平日の参詣以上にあるとされる日)として、古来より続いてきました。
当日は大施餓鬼供養(だいせがきくよう)に始まり、古くより伝わる願い事を護摩木に書き込み祈祷する柴燈護摩祈祷(さいとうごまきとう)、大火生三昧(だいかしょうざんまい:火渡り修行)、千日法会が行われます。参拝者も火渡りに参加することができます。
飢え・渇きから救う「大施餓鬼供養」
「大施餓鬼供養」とはどのような供養なのでしょうか?
仏教では、人が亡くなると生前の功徳において、六道(天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)に振り分けられると考えられています。
その六道の一つである餓鬼道は、常に飢えと渇きに苦しむ亡者の世界。
ここに落ちた魂や、無縁仏のような供養されない死者に、食べ物や飲み物などの供物を施し、供養することを施餓鬼供養といいます。
復活した修験の場!! 「柴燈護摩祈祷」と「大火生三昧(火渡り修行)」
護摩壇で勢いよく燃える炎は、不動明王の智慧(ちえ)を表しているといわれ、そこに焼べる護摩木は人間の煩悩を表しているといわれています。
護摩木に書いた無病息災や、その他の様々な願い事を、智慧の炎で焚き上げ、私たちの煩悩を焼き払い、清らかな心で心願成就が祈祷されます。
また、護摩の煙は厄払いにもなるといわれ、当たると有難いものといわれています。
柴燈護摩祈祷が終了したら、護摩壇を均して大火生三昧(火渡り修行)が行われます。
まずは行者が大釜で沸かした熱湯で心身を清める「湯加持(ゆかじ)」を行い、火渡り修行にあたり再度魔を祓う「清浄払い」が行われ、熾火(おきび:薪が燃え尽き芯の部分が赤く熱した炭火の状態)の上を裸足で渡り、火渡り修行が始まります。
次に一般参拝者も順番に祭壇で祈りを捧げ、火渡り修行に参加することができます。火渡り修行では、護摩の浄火を渡ることで罪を焼き祓い、功徳を授かるといわれているので、千日まいりに訪れた方はぜひ参加してみてください。
とはいえ、最初の一歩を踏み出すには勇気がいりそうですね。無病息災や商売繁盛など人の願いは様々ですが、この日は観音様のご利益が大きい日。
何を願いたいのか整理することで、自分を見つめ直すきっかけになるかもしれませんね。
【イベント名】成相寺 千日まいり
【開催場所・会場】成相寺
【開催日・期間】 2022年8月9日(火)
【予約】不要
【料金】拝観料:一般500円 中学・高校生200円
【ホームページ】https://www.nariaiji.jp/schedule/sennichi2020.php
さすがに京都府北部の宮津市まではちょっと…という方もご安心ください。
清水寺でも千日詣りがあります。期間中は本堂内々陣の特別拝観もおこなわれます。
京都観光のご予定に組み込んではいかがでしょう?
【イベント名】清水寺 千日まいり(本堂内々陣特別拝観)
【開催場所・会場】清水寺
【開催日・期間】 2022年8月9日(火)〜16日(火)14日〜16日夜間拝観が可能
【予約】不要
【ホームページ】https://www.kiyomizudera.or.jp/event/senniti.php
清水寺にお詣りの際は浴衣で行かれてはいかがでしょう?
当店も浴衣や夏着物などいろいろなものを取り揃えております。
ぜひお気軽にご相談ください。
それでは本日もありがとうございました。