七五三の着物の柄に込められた意味や願いとは?【女の子編】

七五三の着物の柄に込められた意味や願いとは?【女の子編】 ブログ

七五三の着物の柄は趣向を凝らしたものが多く、とくに女の子の七五三の着物の柄は可愛くて見ているだけで心ときめくものです。

 

「うちの子にも華やかで美しい着物を選んであげたい」と思うのが親心。ですが、実際に選ぶとなると、最近の七五三の着物は色・柄ともに多彩なため、迷いませんか?

 

そこで今回は、着物の「柄」に込められた意味や願い、由来などを紹介します。

 

女の子の着物の柄には美しい成長と幸福、良縁の意味も

七五三の着物は年々、色、柄ともに多種多様になっていますが、昔から変わらないのは着物の柄が持つ意味ではないでしょうか?

 

そこで、女の子の七五三の着物の柄にはどんな意味や願いが込められているのか、その一例をピックアップしてみました。

 

そこには、娘に対する「美しく育ちますように」「何があっても幸せになりますように」「良縁や子宝に恵まれますように」といった親の愛情が表れているようです。

 

「花」のように愛される女性に育つことを願って

「花」の文様は女の子の着物にもっとも多い柄。日本の国花であり五穀豊穣を表す「桜」、生命力を感じさせる「梅」、高貴さや富貴さを表す「牡丹」など様々な花の柄があります。

 

いろいろな花々を組み合わせた花束、花籠、花丸などの柄も多く、花のように美しく愛される女性に育って欲しいという願いが込められています。

 

生命の誕生や力強い生命力を意味する「松竹梅」

真冬でも深緑の葉をつける「松」。冬でも色褪せず、一年中みずみずしい青い葉をつける「竹」。寒い冬を耐えて春にはいち早く花開く「梅」。

 

そんな「松竹梅」には、忍耐力と力強い生命力という意味があり、おめでたいことにふさわしい柄といわれています。

 

「蝶」のように美しく成長することを願った文様

卵から幼虫、さなぎへと変容して、最後には美しい姿に成長する「蝶」の柄にも、女性として健やかに美しく成長してほしいという願いが込められています。

 

さらに「蝶」には不老不死の意味もあるといわれています。

 

末広がりの「扇」の文様は発展や繁栄を表現

末広がりの形の「扇」は、富の象徴や発展、繁栄の意味があるといわれる縁起の良い文様です。

 

扇の紙面に華やかな柄や美しい花々が描かれる着物の柄が多いようです。

 

多くの人から祝福されるという意味の「束ね熨斗」

「熨斗」とは慶事の進物などに添えられている熨斗アワビを表した文様で、細長い帯状に文様化したものを何本も束ねて描いたものが「束ね熨斗」です。

 

人とのご縁に恵まれ、多くの人から祝福されて、その幸せを周囲と分かち合えるようにという想いが込められています。

 

すべてが丸く収まるようにという「鞠」

平安時代の貴族の遊び道具だった「鞠」には高貴なものという意味があります。また、「この先何があっても丸く収まりますように」「丸々と健やかに育ちますように」という、平穏無事に健やかに育ってほしいという願いが込められています。

 

邪気を払い神様に願いを届ける「鈴」

古の時代より、音には魔物や獣を追い払うのと同時に、神様をお呼びする力があると信じられてきました。

 

そのため音を出す「鈴」の柄には邪気を追い払い、神様をお呼びして祈りや願いを聞いていただく意味が込められています。

 

「うさぎ」には飛躍やとんとん拍子の意味も

うさぎはその跳ぶさまから飛躍を表すとされています。物事がとんとん拍子に進む、縁起の良い柄としても愛されてきました。

 

また「因幡の白兎」の話の中では、大国主命の結婚を導く存在でもあることから、良縁や縁結びのシンボルでもあります。

 

夫婦円満の意味から慶事の文様となった「貝桶」

平安時代の遊びの中に、並べた貝殻の中から一対の貝を見つけ出す「貝合わせ」というものがありました。

 

その貝をしまっておく容器が「貝桶」で、やがて嫁入り道具になったことから、夫婦円満の意味を持ち、慶事の着物にふさわしい柄となりました。

 

高貴の意味を持つ古典柄の「御所車」や「花車」

貴族が乗っていた牛車を描いたのが「御所車」で、この御所車に花を飾ったものが「花車」です。

 

貴族が用いた道具をデザインした王朝文様のひとつで、優雅さ、高貴さを表しているため、七五三だけでなく婚礼衣装などにも使用されます。

 

 

 

たくさんご紹介しましたが、いかがでしたか?七五三の着物の柄には、どれもお祝いにふさわしいおめでたい意味と、子どもを想う親の心が込められています。


愛される子になってほしい、幸せになってほしい、生命力の強い子に育ってほしいなど、親としての願いを素直に重ねられる着物の柄を選んでみてはいかがでしょうか。


子どもが大きくなったとき、七五三の写真を一緒に眺めながら、ママがどんな想いで七五三の着物の柄を選んだのかを話してあげれば、きっと着物選びに悩んだことも素敵な思い出に変わるはずです。

 

また将来お子様が、お孫さんの着物を選ぶ時にも、あなたの愛情を思い出してくれるでしょう。最後までご覧いただきありがとうございました。

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